こぐま犬と散歩〜元保護犬の漫画日記〜

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【漫画レビュー】動物保護の現実を描いた漫画「しっぽの声」 2 を読んだ感想【ネタバレあり】

ご訪問ありがとうございます。

 

 以前1巻のレビューを書きました「しっぽの声」の第2巻が発売になっていましたので、早速買ってきて読みました。今回もレビューを書きたいと思います。

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 今回は猫が表紙でした。

漫画の内容

今回の内容は主に「動物の命とお金」についてでした。前回はあまり触れられなかった猫の話がメイン。折れ耳スコティッシュフォールドの遺伝病の話と、パピーミル(子犬工場や繁殖工場とも言われています)。そして一番つらい犬の引き取り屋の話。ネコ好きな人にはかなり辛い表現があり、胸が痛くなりました…。

2巻のあらすじ (ネタバレあります)

チェーン展開されている大型店舗のペットショップ。そこは獅子神太一が副院長を勤めるレーベン動物病院と提携している店だった。販売されていたスコティッシュフォールドの猫が長期間売れなかったため価格を下げて販売された途端売れたのを知り、その猫をかわいがっていたアルバイトの女の子は密かに幸せを願っていた。

 

一方、譲渡会会場でSNS上にて猫を売買する人物の噂を聞きつけた天原士狼。飼育環境の見学禁止や、住所非公開など不審な点が多いため、劣悪な環境で繁殖させているパピーミル(繁殖工場)ではないかと疑い、調査を開始する。

 

獅子神と天原がペットショップで出会い、またもぶつかり合いながらも猫の繁殖工場のついての調査を協力して始める。そして、ペットショップからスコティッシュフォールドの猫を購入したのはSNS上で猫を販売していた人物であると確信し繁殖現場を押さえるべく、潜入捜査。天原の機転により現場から猫を救い出すことが出来た。

 

解決したと思いきや、この人物は氷山の一角であり、個人ブリーダーの危うさ、「犬猫を商品とする」ペットショップの闇、「いらない」とされた動物たちを引き取る「引取屋」に引き取られたあとの犬猫の悲惨な末路など、獅子神が今まで知らなかったペット業界の闇に迫っていく。

 

動物たちを救いたい一心で「無料で」医療行為をしようとする獅子神と、動物保護の現場でも必要な「お金」の問題を突きつける天原。

 

1巻から続いている動物保護の「理想」と「現実」が更に明らかになっていく。

感想まとめ

2巻ではペットショップが取り上げられると思っていたので、ちょっと内容が怖かったのですが、自分が思っていたよりも闇が深くてショックなシーンがありました。

 

初めに出てくるアルバイトの女の子は、純粋に動物が好きで、販売されている子達が買われて幸せになると信じて疑っていない様子でした。

 

その、純真な女の子が目の当たりにする「命の商品」の扱い。そのことに対して全く問題を感じていない店長の会話がとても怖かったです。

 

初めに出てくる繁殖工場(パピーミル)を作り出した男のエピソードはSNSで気軽に犬猫を販売出来てしまう危険も描かれていました。

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(引用元:小学館「しっぽの声」2巻)

気軽に儲かると思って始めた繁殖工場。スコティッシュフォールドの知識もないまま個人で繁殖させた結果、大量に関節に問題がある子猫が生まれてしまい、さばくために無理をするという話。

 

スコティッシュフォールドの折れ耳遺伝子の話は過去にも書いたことがあります。

 

●●ちゃんママという名前でSNSをやり、顔文字などで可愛くして良い人を装い、動物を売買する人物は実際にモデルがいたのでしょうか…。

 

私もツイッターでてんすけの写真をアップしたり、他の犬猫の写真を見たりしているので、こういう人物が中にはいるのかもと思うと怖くなりました。

 

その後の、繁殖工場をマンションの一室でやっているため、周りへの騒音を危惧して犬の声帯を切っている話について、獅子神と天原の意見の違いが印象的でした。

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(引用元:小学館「しっぽの声」2巻)

保護犬カフェでも声帯を切られた犬はたびたび保護されています。

 

繁殖に使われていた犬はそういう子がとても多い。だから私も「声帯を切るなんて」と思っていたのですが、獅子神がアメリカで見たエピソードは声帯を切れば助かった犬の話でした。

 

(´ヘ`;)ウーム…こういうのは賛否あると思うのですよね。体を傷つけてでも命を取るのが正しいのか…。

 

今回の巻は全体を通して避けては通れない「お金」の話でした。ペットショップで売る以上、動物は商品です。商品を売ったお金で生きていく人たちがいる。避けては通れない話ですね。

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(引用元:小学館「しっぽの声」2巻)

 

3巻では、無料で善意の行為はどこまで出来るかというテーマに移るようでした。この漫画の良いところは「これは良いこと、これは悪いことである」という描き方ではなく、読者に問いかけるような内容になっているところだと思います。

 

こういう現実がありますが、あなたはどう思いますか。どうすれば良いと思いますかと聞かれている気持ちになります。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

上目遣いの犬の写真

ぼくのブログなんですけど

わかってるよ〜(;^Д^)

 

よかったらこちらも読んでみてくださいね。

1巻のレビューはこちら

suzumetengu.hatenablog.com

 

3巻のレビューはこちら

suzumetengu.hatenablog.com

 

 

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