このお話は、川西店でボランティアをしつつ、里親にもなっている
よわむしエースさんがブログで書かれていたエピソードです。
飼育放棄が理由で保護犬カフェに来る犬は少なくありません。
理由は様々で、今回のように引っ越しが理由な場合や、飼い主さん自身の病気、高齢、ご家族のアレルギー等。
つぐみちゃんはマンガに書いてある理由で飼育放棄されて、保護されたのですが、その後川西店で一度里親さんが決まりました。
そしてこれで幸せになれるね、と見守られる中卒業していったのですが
その後里親さんが難病を患われ、小さいお子さんがいたこともあって泣く泣くカフェに戻されたそうです。
里親さんは何度もカフェに通われ、大事にしたいと心から思って引き取られたのですが悲しいことになってしまいました。
結果として2度も捨てられてしまった、つぐみちゃん。
それでも、明るくて愛嬌たっぷり。カフェの真ん中のソファに陣取り、お客さんが来るとシッポふりふりでとっても可愛い笑顔を振りまいているのです。
人間に捨てられても人間がまた愛してくれると信じてやまないつぐみちゃん。
よわむしエースさんはブログの中でこう語られています。
"もし、今元の飼い主さんに会ったとしてもつぐみちゃんは怒ったり噛んだりすることなく、ただ力一杯甘えるんだろうな。"
犬にとっては捨てられた事実はわかりません。預けられているのが長引いているだけと思っているのか、何故自分が置いて行かれたか今でもわからないと思います。そして今でもきっと飼い主さんが迎えに来るのを心のなかでは待っているのでしょう。
万が一やっぱり迎えに来た、となっても怒るなんて事は考えもせず、大喜びで甘えると思います。 でももう迎えに来てはくれないのです。
つぐみちゃんは、飼い主さんをこれからも信じていると思いますが、それでも新しく里親になってくれた人にも精一杯愛情を返すと思います。
その、犬の真っ直ぐな愛情は本当に驚くほどです。
無垢な瞳で人間をじっと見つめてくるのを見ていると胸が締め付けられるような気持ちになります。どうかこの一生懸命人間を信じる子にまた愛情をかけてくれる人がいますように。
つぐみちゃんのお話はこちらの川西店のブログにも載っています。
つぐみちゃんのような話は実は珍しくありません。保護犬カフェに行った時にさらっとこういう話を聞いてショックを受けたこともありましたし、ネットにもこういう話はたくさん載っています。それだけ、飼育放棄する人はたくさんいるのです。
スタッフさんに、飼い主自らこの犬をお願いしますと普通に置いていかれる犬の話を聞いた時には心が重くなりました。
それでも殺されるよりはマシ、受け皿があった方が良かったと言えるのかどうか。
この問題は解決される日が来るのでしょうか。飼い主となった時に何らかの制約があれば少しは違うのでしょうか。免許制にすれば変わるのでしょうか。
とてもとても難しい問題だと思います。
犬を飼えなくなるのには人それぞれ、どうしても飼えなくなった理由があるのだとは思います。
飼育放棄はとても難しい問題で、自分の犬を身勝手な理由で捨てる人の気持は理解できませんし、責めることもできますが、問題はそう簡単なものではないと思います。
なぜなら無責任だと責められたら、責められた人達は面倒くさくなって保護団体に連れてくることすらしなくなってしまうかもしれません。たとえば野山に捨てるとか、保健所に連れて行って処分してくれと言う人もいる可能性があります。そうなったら助かる生命も助からなくなってしまう。そこがジレンマになっていると思います。
保護する人達がいるから、捨てる人達もいるのか、捨てる人達がいるから保護する必要があるのか、問題は複雑です。
まず犬猫を飼う時は、本当に最期まで面倒を見られるのか考える必要があります。
災害、高齢、病気、ケガ、離婚、経済的理由などなど…。
これは私自身にも言えることですが人間はいつどうなるかわかりません。
もしも自分が飼えなくなった場合は誰かに飼ってもらうしかありませんので、その場合は誰にお願いするか、ちゃんとその人も受け入れてくれるのか確約を取っておくべきなのか。
身内に頼むのが一般的かもしれませんが、ちゃんと世話してくれる人に頼まないと犬にとっても人にとっても不幸になってしまいます。(高齢化した親の犬を引き取ったものの世話が出来ずに放棄する人がとても多いです)
動物を飼うということは、その運命をこの手が握っていることを忘れないようにしないといけないと改めて思います。そのためにも自分自身が健康でがんばらないとなと思います。
保護犬カフェについては他の記事もどうぞ読んでみてください。