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今回の記事は、前回のエピソードのあと、「犬の値段」について私が考えたことを描いてみました。
前回の記事はこちらです。良かったら先に読んでみてくださいね。
そもそもなぜ仔犬が高額で売られてるかというと、「売れるから」という一言に尽きると思うのですが、その値段の中には育ててきた経費が含まれているんですよね。世話してきた人の人件費、光熱費、ご飯代などなど。犬を育てるにはお金がかかります。仔犬を売るということはそこで働いている人の給料などに還元されるんですよね。
「しっぽの声」でも描かれていましたが、犬を商品として見るなら利益を乗せますし、儲けが出ない犬は赤字になるから不必要、となります。
そして不必要となった子は処分されるか、引取屋に連れて行かれるか、保護犬として保護されるか、ブリーダーに返されるかetc…様々ですが、「商品」ではなくなります。
ふと思うのは、ペットショップで商品となった犬を世話するためにお金がかかるから高価だとしたら、保護犬が無料なのは何故なのか。世話するためにお金がかかるのは同じです。
ペットショップで高価に売られている可愛くてキレイで若くて健康な子犬。その子がお金で買われ、飼い犬となったあと、捨てられれば売れない犬になる。その時たとえまだ仔犬でも、可愛くても、きれいで健康でも「保護犬」です。
同じようにご飯を食べて、トリミングにお金がかかり、ワクチン代その他の医療費がかかります。
それでも「保護犬」だったら譲渡する時にお金をもらうと非難されます。その時に良く聞くのは「保護犬”なのに”お金取るの?」というセリフ。
保護団体さんに「タダで犬もらえると聞いた」「健康な仔犬はいないの?」と言って来る人は一定数いるそうです。
そして、引き取ったあと「思ってたより医療費がかかる」「こんなにお金がかかるとは聞いていなかった」という理由で返してくる人もいると聞きます。
それを考えると、犬の値段って何だろうと思ってしまうんですよね。
もちろん、引き取ってもらえる事はとても大切なことで、そこでお金を取れば良いということではありません。
タダだからという理由であっても、引き取られて幸せになればそれで良いと思います。きっかけはなんであれ、愛してくれる飼い主さんが出来ることが大事だと思うので。
こういうことを書くと、お金で犬を買った方は不快に思うかもしれませんが、私個人はペットショップやブリーダーからお迎えされたという話を聞いても、(そもそも私が言うことじゃないですが)それについて何か思うことはもちろんありません。
てんすけにはペットショップやブリーダーから買われた友達犬がいっぱいいます。
その子達がとても愛され、大切にされているのを見ると「どこで出会ったか」よりも、「どこで別れるか」、最期まで大切にかわいがってもらえるのが重要で、出会った場所がどこであってもそれは大切な縁なんだと思います。
それに保護犬を引き取っても最期まで可愛がらない人がいることを考えると、買う方が悪く、保護犬を引き取る方が偉いと言い切るのも違うと思います。
ただ、ペットショップに高額な仔犬ばかりがずらりと並んでいるのを見ていると、
「どうしていつも仔犬ばっかりなんだろう」
「この子達の親はどういう環境で産まされているのだろう?」
「売れないまま大きくなったらどうなるんだろう」
「病気や見た目の問題で販売に適さないとされた犬たちはどうなったんだろう」
と思ってしまうのです。
てんすけはペットショップからの飼育放棄と聞いています。
ということは、目の周りに炎症がなければ店頭に並んでいたはずです。
でも一番可愛い、「売れる」時期に病気だったからという理由で、「売れない、いらない商品」とされ、その後は保護されていなければどうなっていたかはわかりません。
売れる犬だったら高額な値段で販売され、売れないとされたら放棄される。そのシステムはやっぱり、悲しい運命の犬を生み出すことになってしまいます。
犬に値段を付けた側が利益を出すために、てんすけのように値段のつかない「いらない」とされた犬たちもいるということ。高額な値札を付けられた犬たちと違う場所で、誰かに引き取られるのを待っている値札のない犬達がいるということを知ってほしいと思っています。
もしかしたら、今ショーケースに入っている子たちも、てんすけのようにちょっとした運命の違いで保護犬になるかもしれません。
育った環境、そして今いる環境で価値が変わってしまう、それは人間も同じ残酷な事実なのかもしれませんね。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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