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今回はてんすけのお話ではなく、旦那が時々話す子供の頃の思い出のお話です。
旦那が小さい頃、家に雑種のわんこがいました。
家には他に猫やうさぎがいて、動物好きな一家でした。
近所に大きな秋田犬を飼っていた家があって、犬好きだった子供だったので時々、家の犬と遊びに行っていたそうです。
ただ、その家の人はその子に愛情をかけてくれていない家でした。
大きな秋田犬を飼っている理由は「番犬になるから」。
外に繋ぎっぱなしで、ろくに散歩にも連れて行かず、そのせいでその場にトイレしてしまったワンコ。
それに対して怒りながら水を流すという非道っぷり。
ただその時代、犬は「もらってくるもの」が当たり前で、外に繋がれてる犬はたくさんいましたし、散歩も今みたいに必ず行ってもらえてる子ばかりではありませんでした。予防接種もしてもらっていない子も多かったと思います。
うちの実家の母はとても犬好きで、私が小さい頃家にいた犬は毎日散歩に連れて行ってもらい、庭に放し飼いでとても可愛がられていたのですが、それでも今の犬の飼い方からすれば足りない部分がたくさんありました。(今思えば)
ましてやここの家は犬に愛情をかけるつもりのない家。
一日中繋がれている秋田犬のことをかわいそうに思った、幼少期の旦那は自分の犬の散歩に行くついでに、その家に寄って秋田犬を散歩に連れて行ったそうです。
家の人に可愛がられていなかった秋田犬ちゃんは、旦那が行くと大喜びでしっぽブンブンですごくなついていたそう。
そしてリードを引っ張ることもなく、おとなしく付いてきて、子供がつれているにもかかわらず、全然困らせることがありませんでした。
旦那の家のわんこはめちゃくちゃ引っ張る子で、脱走したりもしてとてもやんちゃだったのに、その秋田犬はおとなしく付いてきて、その頃たくさんあった空き地に行っても暴れることなく散歩することができたそうです。
ストレスもかなり溜まっていたはずなのになぜ暴れずにひっぱることなく付いてこられたのか、昔過ぎて覚えていないらしいのですが、(もしかしたら家人が訓練とかに出してたのかも?)
今でもあの優しい瞳と大きな体で自分におとなしく付いてきたことをよく覚えていると話します。
今、私達の目の前にいるてんすけは愛情たっぷり、毎日朝晩散歩に連れて行ってもらってとても大切にされているわけですが、
てんすけが楽しそうにしているのを見ると、ふと
「あいつは本当にかわいそうだった」と思うそうです。
ときは昭和のお話、あの頃は間違った飼われ方をされてる子はたくさんいたと思います。
血統書付きで高いお金で買ったことを自慢していたらしい飼い主。
犬は飼い主を選べません。
幼い旦那と散歩に行っていたあの時が、あの子にとって唯一の楽しみだったのかもしれません。
もしあの子がもっと良い飼い主に恵まれていたら、もっと幸せになって長生きしただろうと思うと、悲しい気持ちになります。
(あの頃は動物愛護団体すらなかったかもしれない…)
今の時代でもかわいそうな飼い方をされたり、飼育放棄されている子達はたくさんいます。
でも、ネットがあるので、昔に比べたら愛情をかけて正しい飼い方をされてる子は格段に増えました。
どうか今の、正しい知識を勉強出来る世の中で、不幸な飼われ方をしている子達が一頭でも減りますように。
この子のことを聞くたびに、そう思わずにはいられません。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。