ご訪問ありがとうございます。
前回の記事で書いた「用事」は、京都大学文学部心理学研究室が行っている犬の行動学調査プロジェクト、「CAMP-WAN」の調査に参加することでした。
suzumetengu.hatenablog.com
CAMP-WANとは
CAMP(コンパニオンアニマルマインドプロジェクト)とは、京都大学文学部研究科心理学研究室の藤田和生教授を筆頭に、同心理学研究室の学部生、大学院生、OB、OGにより構成されたメンバーによる研究プロジェクトです。
近年注目されているコンパニオン・アニマル(伴侶動物)の心や行動の研究をするべく、2002年から続いている調査で、2013年からは犬だけではなく猫もやっています。
(猫はCAMP-NYAN)
簡単にまとめると犬(猫)は何を感じて、どうふるまうのか?といった事を調査するために色々テストをして、その結果を論文にまとめたり、学会で発表したりしています。
こういった本格的な犬猫の行動調査をしている大学は、日本では数少ないそうです。
外国ではこういった実験は盛んに行われてる印象なのですが、日本はまだまだ犬の研究が進んでいないんだな…と感じました。
藤田和生教授は犬猫の専門家ではなく、もともと霊長類の研究をされていた方で、犬猫の行動も調査するようになったというお話でした。
調査でどういうことをするのか
調査内容はその時その時で違うので、ここで詳しくお伝えすることは出来ないのですが、たとえばオヤツや音や画面にどう反応するかなど、いろんなパターンでテストして、それをビデオと写真で記録して、データを集めて分析します。
その際に、飼い主も一緒に犬と調査に加わります。
これは、データを集めるための調査なのでしつけコンテストのように「出来る出来ない」は関係ありません。できるだけ色んな犬のデータが必要なのでその子に合った調査をしてくれます。
実際に体験してみて、ものすごく怖がりで椅子の下から出てこられないとか、逆に大喜びすぎて跳ね回る子などは調査するのが大変だろうなあと思いました。ある程度落ち着いていて飼い主の言うことを聞ける子なら、ゲーム感覚で楽しく体験出来る気がします。
てんすけはマテやおすわりなどは出来るし好奇心が旺盛なので、何やるの?とワクワクしてるところは良かったんですが、私と離された時に怖くなったみたいでしばらく抱っこして落ち着かせる必要がありました。
ただ、くいしんぼなのでオヤツを使った調査は完璧にこなすことが出来て、ちょっと恥ずかしいけど良かったと思いました。
調査時間は1時間〜2時間ぐらい。必要なら休憩も挟んでくれますし、犬の様子を見て中断することも出来ます。
てんすけは終わる頃にはすっかり慣れてお腹出してなでてもらっておりました(笑)
参加してみて思ったのは、皆さんとても犬に優しい…。
「調査」と聞くと犬を研究対象として扱いそうに聞こえますが、その子が嫌がることを無理にやらせたり、びっくりさせたり怖がらせたり危険なことをされることはないです。むしろ自由にさせて欲しいと言われました。
犬の特性を理解して調査してくれるので不安や心配は一切ありませんでした。やってみたいと思われた方は、その点は安心して良いと思います。また、予約して行くので他のワンコと一緒に調査されることもなく、会場にはてんすけ一匹だけでした。
調査する目的
CAMPでは、コンパニオンアニマルの心や行動を科学的に解明することで、人間たちと彼らとがよりよい関係を築ける手助けにしたいという志を持って調査をされています。
2008年から2年に1回のペースで「国際的な犬の学会(Cannie Science Fourum)」が行われており、そこで研究の発表もしています。
今までのCAMPでの成果
過去に行った調査でわかったことがパンフレットに書かれていました。
例えば…
- 犬は飼い主の声を聞くことで飼い主の顔を思い浮かべる。
- 女性の声から女性の顔、男性の声から男性の顔を思い浮かべる。
- 犬は人の指差しを理解している。(チンパンジーでも難しい)
- 犬は人が扉を開ける動作から重さを推理できる。(自分で重い扉と軽い扉を経験している場合に限る)
- 犬は飼い主を助けてくれない人からおやつをもらうのを避ける。
こんなことがわかったそうです。
2015年に行った調査結果が日経新聞に載っていました。
面白いですね〜( ´∀`)
こうやって犬の行動を分析してくれるなら、どんどん協力していきたい。日本でももっと犬の研究が進んで欲しいと思います。
調査に参加する方法と流れ
上記の公式HPの右端にフォームがあり、そこから申し込むことが出来ます。
↓ここから飛べます。
私はここに書き込んで参加を申し込みました。
その後、メールで連絡があり、日時を決めて現地に行くという流れです。場所は京都市上京区の出町柳駅から歩いていける京大が研究に使っているマンションの一室です。
マンションの一室と言っても、普通のリビングみたいなところでやるのではなく、広々としたフロアにカメラやパーテーションなどがあり、スタジオのような感じになっていました。
床は犬の足が滑らないようにマットが敷いてあります。
調査に参加される方は、私のときは、准教授の黒島さんの他に3回生の学生さん、教務補佐員の千々岩さん、博士課程3年生のソフィアさんの4人でした。
黒島さんとソフィアさんはどちらも元保護犬(海外で引き取られたそう)を飼っていると聞いて、前回のバッカス君に続いて、今回はみんな元保護犬だなーと嬉しくなりました。
皆さんとても穏やかで、いろんなことを知ってるので話していて楽しかったです。
初めはちょっと緊張してたてんすけも最後はリラックス。
しっぽフリフリでゴキゲンでした。
後日調査結果をまとめたものもいただけるとのことなのでそれも楽しみです。
これは、てんすけ個別の調査結果ではなく、他のワンコ達との調査結果も踏まえて出された報告書とのこと。
最後に頂いた2017年の調査報告書、これの2019年度版がもらえるのかなと思います。
終わった後、調査中に撮った写真や、参加証、などがもらえます。
調査に参加した目的と感想
今回私が参加を申し込んだ理由は、よりてんすけの考えていることを深く理解したい、学問として犬の行動学や認知学、心理学などを研究している場に行ってみたいと思ったからです。
単純に好奇心から興味があったのと、「犬のことを知る」ということを目的として何か良い方法はないかと考えて検索してたどり着いたという感じです。
たった一回の調査では深く行動学に触れるというのは無理なので、勉強になったかというとわかりませんが、とても興味深く楽しかったというのが今回の感想です。
てんすけの行動に意外な部分があったり、ちょっとした発見があったのも嬉しかったですし、今後も定期的に参加して、より理解を深めたいと思いました。
藤田教授には今回お会いできませんでしたが、本を出版されているとのことですので興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。
CAMP-WAN Facebookページ
CAMP-WAN活動日記(ブログ)
調査は楽しそうでしたが、緊張もしたため疲れてるだろうと、てんすけの気分転換に大好きな広々とした芝生(前回の鴨川)と、商店街に連れて行ってあげました。
次回はその時行ったお店を紹介しますね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。